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人事業務・コンサルタントの経験で蓄積してきたノウハウを活かして

高橋 啓

高橋 啓

たかはし けい

  • 株式会社カタリスト代表取締役
    日本コーチ協会大阪チャプター代表

高橋さんは企業の人事担当をされていたそうですが、
独立のきかっけは?

JR福知山線の脱線事故が大きな転機でした。当時、僕はまだ住友化学の人事室に勤務中で、採用教育業務に従事していたのですが、この日は別府で約80人の外国人留学生との採用面接の真っ最中でした。東京へ戻る際の大分空港で見たTVニュースでは、折れ曲がった車両を目にし「悲惨な事故だなぁ」と心を痛めてはいましたが、それはまだ「毎日流れるニュースのひとつ」に過ぎませんでした。

それを1本の電話が私事に変えました。事故車両に高校時代の同級生が乗り合わせており、亡くなっていたのです。僕は大阪ではあの列車で会社に通勤していた時期もあり、その知らせによって一瞬で自分の身に起った出来事になりました。もし少し状況が違っていれば、自分が乗っていたかもしれない、僕がいなくなっていたかもしれない…と考えるようになりました。

その同級生は3人の子供を連れて再婚したところだと聞いていました。実は僕にも離れて暮らすようになって10年間会っていない娘がいます。娘のことを考えると、もし自分がこの事故で死んでいたとしたら、「父親としてどのような大人だったと言えるのだろう?」と自問自答するようなりました。そして、3日後の4月28日に会社に辞表を提出することを決めました。「今やらないことで後悔することは無しにしよう。そのために会社の仕事でパンパンになった自分の時間を、一度空っぽにしてみよう」とね。

妻に話すと、「もう決めたことなんでしょう。好きなようにしたら」と半ば諦めのコメントをもらいました(感謝です)。

いろんな思いをされていたんですね。メンターサポートコンサルタントの講座は、その頃受けられたのですか?

退職後プロコーチとして活動していましたので、マザーズサポーターの名前は知っていました。活動しているメンバーに初めて会った時の印象が強烈で、「この人達のエネルギーの源は何なんだ?」とすごく興味が沸いてきましたね。活動内容よりもまずそれが知りたくて(笑)。そこから講座を受け、一気に1級までの資格を取りました。

マザーズサポーター協会も2年目の種まきを迎え、子育て支援のための「自立型支援方法」から、ビジネス現場での模索を始めていました。メンターサポートコンサルタントという名称もこの頃からです。僕の経験を活かせる場かもしれないと感じ、企業支援のプロジェクトリーダーに手をあげました。

しばらく個人で仕事をしていましたが、自然と『高橋啓』ではなく、『組織』で何かをしたいと思うようになっていました。
そして、2007年、株式会社カタリストをスタートさせました。

一歩ずつ着実に進まれている感じがしますね。
ズバリ、今後の展望を教えてください。

カタリスト(catalyst)は、「触媒」という意味で、それ自体は変化せず、他の物質の反応速度を高めるんです。自立型支援方法が組織の「触媒」となって、個の自立を促し、成熟した組織を築く…そのお手伝いができたら、うれしいですね。

協会メンバーとしては「自立型支援方法」をもっともっと普及させたいと思っています。現在は、月1回のミーティングで試行錯誤を重ねながら、企業へのアプローチを実践中です。カタリストとしては、クライアント企業の組織改革に展開しています。また「自立型支援方法」を活用できる会社という組織現場を持っているわけですから、そこにメンターサポートコンサルタントを育てながら、共に「自立した組織」を実現していくチームを作っていきたいと思います。

自立に向けた、人への関わりを続けることで、結果としては社会を通じて、いつか娘にも届けばいいなぁと思っています。(2009.9)

高橋 啓

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